先日、1月下旬に中国政府から
「これから14ヶ月間、VPNサービスの運営を許可制にする」という発表があった。
許可が下りていないVPNサービスを運営することは違法行為となる。
※VPNサービスを利用する行為の違法性は不明。
また、VPNサービスへの接続も中国の検閲制度である「グレートファイアウォール」が禁止するという発表であった。
中国での業務において、GoogleやTwittrなどのサービスを利用している会社には大打撃となる可能性が高い。
また、中国へ旅行に行く観光客にとっても、「いつも利用しているサービスが利用できない」ということは、大きな悩みの種となるだろう。
1.2016年までの中国は?
今回、中国政府が大々的に発表したため、世間の注目が集まることになったが、中国においてVPNを利用することは当初から制限がなかったわけではない。
中国当局は、国内利用数の多いVPNサービスや悪質なVPNサービスへの接続はすでに禁止されていた。
しかし、VPNについて法律で明記されているわけではなかった。
あくまでも、「ネット検閲の一環」としてVPNへの接続をシャットダウンしていたわけだ。
しかし、今回の発表により「VPN=利用禁止」ということが明文化された。
言い方を変えれば、「VPNを制限する=当然のこと」というようにとらえることが可能になったということだ。
2.2017年以降のVPNは?
こればかりは、中国当局がどこまで本気になってやるかということを注視していくしかない。
しかし、事実上どこまで制限か可能なのか?ということを知りたいであろう。
ネット接続の仕組みと合わせて、解説したいと思う。
通常のインターネット通信を利用してウェブサイトを閲覧する、自分のパソコンからインターネットを通して、ウェブサイトが運営されているパソコンに接続されている。
しかし、VPNを利用すると、自分のパソコンとウェブサイトを運営するパソコンとの間に、さらに一台パソコンを仲介することになる。
この仲介となるパソコンのことをVPNサーバー。
その仕組みをVPN。
そのサーバーを運営することをVPNサービスと読んでいる。
インターネット上のすべてのパソコンは、IPアドレスと呼ばれるインターネット上の住所が割り振られている。
この仲介となるパソコンへ接続するときは、仲介パソコンのIPアドレスを指定して通信を行う。
中国当局が、仲介となるパソコンのIPアドレスを知り、そのIPアドレスとの通信をブロックすることでVPNサービスへの接続をシャットダウンできる。
今回のVPN検閲を避けるポイントは、どれだけVPNのIPアドレスを変動させることができるかということにかかっている。
しかし、根本的な解決にはならないだろう。
永遠に、VPNサービスと中国当局によるイタチごっこが続くと予想される。