6月6日にロシア政府が、複数のVPNサービスに対してFGISへの接続を要求しました。
ロシアの検閲事情
ロシアではインターネットの一部が検閲されており、アクセスすることができなくなっております。
その検閲制度の一環として、インターネット上でサービスを提供している会社は検閲によりアクセスが制限されているサイトへのアクセスできないようにすることが義務付けられています。
以前、皆さんの多くが利用しているGoogleが「検閲対象のサイトを検索結果に表示していた」として罰金を払わなければいけなくなったこともありました。
Google fined $7,521 for failure to comply with Russian legislation
FGISとは?
以上の検閲を実現するためには、サービス提供業者が「検閲対象になっているサイトのリスト」を知る必要があります。
そこで、ロシアが用意したシステムがFGISというシステムです。
FGISとは、「Federal State Information System」の略称で、このシステムに接続をすると検閲対象となっているサイトのリストを入手することができます。
VPNとロシアに何があった
2019年6月にロシアは、各VPNプロバイダーにFGISのシステムへの接続を要求しました。
システムの接続を要求したということはつまり、そのシステムを利用してVPN会社に検閲を要求したことです。
対象となったVPNプロバイダー
- NordVPN
- ExpressVPN
- VyperVPN
- TorGuard
- IPVanish
- HolaVPN
- Hide My Add!
- OpenVPN
- VPN Unlimited
- Kaspersky Secure connection
この要求に対して、カスペルスキーのみはFGISへの接続を承諾しました。
逆に、カスペルスキー以外のNordVPN・ExpressVPNなどのVPN会社は要求を拒否し、ロシアからのVPNサーバーの撤去・撤退を行いました。
その結果として、現在それぞれのVPNではロシアのVPNサーバーに接続できなくなっております。
検証
NordVPNはロシアVPNに接続できるか?
NordVPN専用ソフトを起動してロシアのVPNサーバーを探してみましたが、サーバー一覧画面からロシアが消えていました。
NordVPNでは接続不可
ExpressVPNはロシアVPNに接続できるか?
ExpressVPN公式サイトからサーバー一覧を見ることができます。
しかし、ロシアサーバーがページから消去されており、利用不可となっていました。