今回は、「VPN Gate」というVPNについて解説します。
VPN Gate とは?
VPN Gate の正式名称は「VPN Gate 学術実験プロジェクト」です。
日本の国立大学である筑波大学が、運営しているサービスとなっています。
VPN Gateを利用すると、誰もが無料でVPNを利用できるようになります。
VPNとは?
VPNとは、インターネットの通信をする際に自分パソコンと通信相手のパソコンの間に、別のVPNサーバーというパソコンを置くことで、自分の通信の安全性を向上させることができる仕組みです。
詳しくは、「VPNとは?VPNの仕組みとメリットをサルでもわかるようにイラストで解説!」で紹介しています。
VPN Gate の仕組み
VPN Gate は、ボランティアによってなりたっています。
筑波大学が配布しているソフトをインストールすることで、VPNへの接続が可能となります。
また、そのソフトを利用することで自分のパソコンを世界中の人が利用可能なVPNサーバーにすることもできます。
VPN Gate は他のVPNとは何が違うの?
VPNサービスは、筑波大学が運営しているVPN Gate 以外にも多くのサービスが運用されています。
【2019年上半期】おすすめVPNをランキング形式で3つ紹介!特徴・レビューを紹介!これを選べば間違えなし!
では、VPN Gate は他のVPNとはどういった点が異なるのでしょうか?
1.無料である
ほとんどのVPNサービスは有料となっています。
無料のサービスもごく一部ありますが、広告が読み込み時に表示されるなど営利目的で運営されています。
しかし、VPN Gate は筑波大学が学術・研究目的で運営しているサービスのため一切料金はかかりません。
クレジットカードの登録なども不要なため、誰もが簡単に無料d絵利用できるVPNサービスとなっています。
2. 運営者が不明
先ほどから、「VPN Gate は筑波大学によって運営されている」と言ってきましたが、実際は筑波大学が直接運営しているわけではありません。
VPNというサービスを運用するには、VPNサーバーというサーバーを運用する必要があります。
しかし、筑波大学はVPNサーバーを運用していません。
では筑波大学は何をしたのか?
筑波大学は「VPNサーバーを運用して、それを第三者に開放し、それを簡単に利用できるソフト」を開発しました。
つまり、VPN Gate を利用して接続するVPNサーバーは、身元がまったくわからない第三者によって運営されているサーバーとなります。
そのため、サーバーの運営者によって通信内容が記録されていたり、改ざんされてしまう可能性もゼロとは言い切れません。
また、このVPNサーバーの運営者も誰かからお金をもらっているわけではなく、あくまでもボランティアで運営されています。
3. IPアドレスが変動する
インターネット上に接続されているすべての機器は、IPアドレスという固有の番号が割り振られています。
通信をする際は、このIPアドレスという情報をもとに「誰に情報を送信し、誰から情報を送信するのか」ということを決めています。
通常のVPNサービスであれば、常に同じVPNサーバーを利用するためIPアドレスが変動することはありません。
しかし、VPN Gate は利用可能なVPNサーバーがどんどん移り変わります。
そのため、IPアドレスも固定されず変動します。
IPアドレスが変動するメリット
サービスによっては、利用可能な地域を限定したいサービスなどがあります。
HuluやNetflixなども海外から動画を閲覧しようとしても見ることはできません。
そういったサービスでは、VPNを利用して位置情報を偽装しようとしている人をブロックするためにVPNのIPアドレスを記録してブロックしています。
そのため、通常のIPアドレスが固定式のVPNサービスではアクセスがブロックされてしまうことがあります。
VPNGateでは、そういったことは少ないでしょう。
IPアドレスが変動するデメリット
利用可能なVPNサーバーが変動するため、通信が安定しないことがデメリットとなります。
さっきまで利用可能だったVPNサーバーが運営者によって、接続がきられてしまったりすると、まったく利用不可能になってしまいます。
利用不可能になったら、また利用可能なVPNサーバーにつなげ直せばまた利用可能となります。
しかし、オンラインチャットなどでは一度ネットワークが切れてしまうとチャットの履歴が消えてしまったりすることもあるので注意が必要です。
4.通信速度が遅い
VPNGateで利用可能となっているVPNサーバーは、あくまでもボランティアによって運営されています。
そのため、営利目的で運営しているVPNサービスで利用できるVPNサーバーと比較すると通信速度が比べものにならないぐらい低速です。
YouTubeなどの動画ストリーミングサイトで高画質な動画を見たり、オンラインゲームをしたい方には注意が必要です。
5.サポートがない
仮にVPNGateを利用していて問題が発生した場合やセットアップ方法などがわからない場合は、一切サポートが受けれれません。
ご自身の力で、その問題を解決する必要があります。
以上がVPNGateとは?に対する回答とVPNgateのメリットデメリット本来のVPNとの違いとなりました。
質問などはコメント欄で受け付けているため、お気軽にコメントをお書きください。
コメント
VPN業者(NordVPN,ExpressVPNなど)は
httpsの内容を覗き見ることは不可能なのでしょうか。
元々、https通信になっているものは、通信内容をVPN業者が覗き見ることは不可能です。
>> また、そのソフトを利用することで自分のパソコンを世界中の人が利用可能なVPNサーバーにすることもできます。
VPNgateを使っただけでは自分のパソコンを世界中の人が利用可能なVPNサーバーにならないですよね。
ちなみに、iPhoneでVPNgateを使っています。
VPN Gate のクライアントソフトを利用しているだけでは、自分のパソコンがVPNサーバーになることはありません。
なお、Hola VPN の無料版を利用すると、自分のパソコンが他人のVPNサーバーのように機能することがあります。
https://24ch.biz/2020/02/21/check-the-dangers-of-hola-vpn-its-too-dangerous-and-i-dont-want-to-use-it-even-if-i-get-the-money/
VPNgateのようにログ保存をするVPNに危険性はありますか。
たとえば、閲覧したページが筒抜けになるのですか(連絡帳を見たら連絡先情報がバレる等)。
VPNGateのようなログを保存するVPNが、HTTPSなどの暗号化された通信を利用している場合は、通信内容はわかりませんが、どういったサイトにアクセスしているかということが筒抜けになります。
また、通常のHTTPアクセスをした場合は、通信内容(閲覧したページが筒抜け・テキストメッセージも丸見え)も完全に、VPNのサーバーの管理人から見えてしまいます。
アプリとhttpsのサイトにアクセスするためならログ保存されていたとしてもさほど問題は無さそうですが、どうでしょうか。
ログなしVPNにはpc以外からログインしたくないので
スマホだと、意図しないところで裏で通信を行っているため、あまりおすすめはできません。